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わんちゃんの行動学

わんちゃんの行動学 第1回

犬との上下関係は必要?

イメージ写真1  犬は、群れの中で序列関係を持っているオオカミから家畜化されたため、飼い主との間で序列関係を築くと考えられました。そのため、犬をしつける際には、飼い主が犬よりも上位の存在になって犬を従わせることが必要であり、問題行動の修正を行う際にも、飼い主は力や体罰によって犬を制圧し、犬よりも上位に立つことが求められてきました。
  しかし、「人と犬の関係=上下関係」という考え方には科学的な根拠はなく、犬の研究が進んでいなかった当時の専門家が、オオカミとの類似性を当てはめた方が人と犬の関係を説明する際に都合が良かっただけなのです。

飼い主のことを下に見るって本当?

イメージ写真2  現在では、犬の特性や問題行動に関する研究が進展したことで、「家畜化された犬は人に対して序列関係を求めない」、「問題行動が生じる原因は上下関係ではない」、「力や体罰によって犬を制圧するしつけ方は、問題を更に悪化し、犬の福祉が損なわれる」などといった様々な研究結果が報告され、従来の「人と犬の関係=上下関係」という考えた方が見直されるようになりました。
 しかし、「人と犬の関係=上下関係」という旧来の既成概念が、専門家を初め一般にも広く信じられてしまっているため、現在でも上位に立つために力や体罰によって犬を制圧しようとして、互いの関係性を悪化させてしまう飼い主さんは少なくありません。

人と犬の関係=親子関係

イメージ写真3   犬は家畜化によって、成犬になっても子犬の時の特徴が残ったまま成長します。成犬になっても子犬のような人懐こい行動は、飼い主の犬を世話したいという養育心を誘発させるため、人と犬の関わりというのは、上下関係というよりも親子関係と表現したほうが適切なのではないでしょうか?「子育て」と「犬育て」は非常に共通する部分も多く、家族の一員として犬を迎え入れる飼い主の気持ちを察すれば、人と犬の関係は「親子関係」に近いと広く周知させていくべきだと思います。
スタディ・ドッグ・スクール

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鹿野正顕(学術博士)

鹿   まさあき(学術博士)

スタディ・ドッグ・スクール代表 株式会社Animal Life Solutions(ALS)代表取締役社長
日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事・事業企画委員
動物介在教育療法学会(ASAET)理事 世界最大家庭犬トレーナー資格 CPDT-KA

麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家の育成・普及を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立し、飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、トレーナーとしても指導に携わっている。

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